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立派な獅子山をもつ神田の氏神様 [狛犬・寺社(東京都)]

東京都千代田区外神田、神田明神。
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社伝によれば、天平2年(730)に現在の千代田区大手町にある
将門塚の付近に創建されたのが始まりとのこと。
江戸開府に際して江戸城の鬼門に位置する同地に移転がなされ
以降は神田、日本橋、秋葉原、大手町、丸の内など108の町々の総氏神様として、
また幕府に重きを置かれたことから江戸総鎮守とも言われるようになりました。
明治期に入ってからは正式名称を神田神社と称したそうです。

とまあ、江戸に幕府が出来るよりはるか昔より存在した由緒ある古社ですが、
近年ではAKB48のメンバーが成人式を行う神社として、
若い人たちの知名度も上がってきているようですね。
「むかし将門いまAKB」といったところでしょうか。

御祭神
一ノ宮:大己貴命
二ノ宮:少彦名命
三ノ宮:平将門命

隋神門は昭和50年に昭和天皇即位50年記念として総檜造で建立。
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立派ですね。
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両サイドにいる狛犬。

境内一角に立つ、だいこく様尊像。
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同社HPによれば石造の大国様としては日本一の大きさとのこと。

御防講(おふせぎこう)の記念碑。
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江戸の町火消し「いろは47組」は神田が「い組」なんだそうな。

社務所と社殿。
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関東大震災で被害を受けた江戸時代建立の旧社殿は
伊東忠太・大江新太郎・佐藤功一といった近代神社建築・都市建築を
代表する建築家により設計がなされ、昭和9年(1934)再建。
鉄骨鉄筋コンクリート造ですが、柱間を狭めるなど
木造に近いデザインが配慮されています。
非木造ということで東京大空襲にも生き残り、
平成15年には国登録有形文化財となりました。
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そしてその正面には有名な狛犬が一対。
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昭和8年(1933)5月建立。
原型 池田勇八
石材 酒井八右衛門
石匠 野村保太郎

原型の池田勇八は明治から昭和にかけて活躍した彫刻家。
動物彫刻に長け、とくに「馬の勇八」とも呼ばれるほど馬を扱った作品で
名を馳せることになった人物ですが、その勇八デザインの狛犬がこちら。
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そしてこれを彫り上げたのが野村保太郎。
屋号「保泉」の名で知られており、野村保泉の名義で
作品に名が刻まれていることが多いです。

酒井八右衛門は「井亀泉(せいきせん)」という屋号を持ちますが、
「廣群鶴(こうぐんかく)」「窪世祥(くぼせしょう)」と並び
江戸三大石匠と呼ばれた名石工で、野村保泉はその流れを汲む石匠です。

ちなみに安曇野の狛犬ファン(?)にとって野村保泉となれば
穂高神社の参道にいる昭和15年制作の狛犬がすぐに思い浮かぶところですが、
地元では原型制作の彫刻家、小川体系のほうが有名なので
彫り師としての保泉の名が殆ど知られていないのは残念です。
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この神田明神のものは獅子というより犬に近い造形ですね。
大型で力強さ溢れる彫りで、自分はけっこう好きな子達です。

そして同社には社殿に向かって右側の境内一角に、巨大な獅子山があります。
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獅子山も台座に乗る狛犬同様、参道の両脇に
一対のかたちで設けられるのが通常ですが、ここのは一山のみ。
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もともとは同社でも一対の獅子山が参道脇に存在していたのですが、
関東大震災の折に損壊し、子獅子を紛失。
その後親獅子一対のみが保管されてきました。
平成時代に入り、今上天皇即位記念として平成2年(1990)、獅子山を復興。
新たに子獅子も制作し、現在の場所に奉献されました。
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こういう形の一山の獅子山を見るのは自分は初めてです。
しかも山には滝のように水が流されています。
参道の両脇にあって神域を邪悪なものから守護するという
獅子狛犬の本来から少しずれていると取れなくもないですが、
芸術的視点から見ればこういうのも悪くないですね。

境内には多くの摂社があり、
そこにも幾対もの狛犬たちがいました。

魚河岸水神社。
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昭和12年9月建立の岡崎現代型。

小舟町八雲神社。
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文化6年(1809)5月建立、昭和7年(1932)9月再建。
このふたつの年代の存在の意味するところは不明ですが、
もしかするとこれもまた関東大震災で被災したのかもしれないですね。
再建年が本殿の再建と近いことから、もしかするとこの子たちは
旧社殿前に居た子たちなのかもという想像も膨らむのですが、
こちらの写真を見る限りでは、ビミョーに違うような感じもします。
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在りし日の旧社殿の前に狛犬の居る様子が伺えますが、
ちょっと判りづらく、なんともいえないですね。。。

籠祖神社の狛犬。
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昭和36年(1961)建立。
「青山 石勝」の銘がありますが、本体は岡崎現代型。
江戸時代から続く老舗の石工ですが、この頃になると
もはや自主制作はしていなかったのでしょうか。

摂社には狐さんたちもたくさんいました。
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目つきの鋭い(こわい)子もけっこういたりして。。。

あと、境内の一角にはこんな石碑もありました。
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銭形平次の碑。
江戸を代表する岡っ引きの親分である平次が
神田明神下にある長屋に暮らし、この界隈を中心に活躍していたことから、
昭和45年に記念碑が建てられました。
石碑の台座部分は銭形平次の象徴、寛永通寳があしらわれています。
いちおう念のため書いておきますが、銭形平次はあくまで架空の人物です。。。

最後に脇参道のように位置する男坂を下り、
この日は境内をあとにしました。
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表参道から来るとピンときませんが、
こうしてみると神田明神が界隈の高台に位置していることがよく分かります。
昔は江戸湾まで見通せたことからこの場所に灯台が設置されていたことも
あったそうですね。

江戸の町は坂の町。坂道好きにはたまらない町ですね。

神田明神公式HP

(撮影日:2013年6月16日)


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