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上波田、若沢寺の所縁を訪ねてみた [狛犬・寺社(松本市)]

このエントリーは
まちづくり・・・安曇野暮らし」に過去アップされた記事の転載です。

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前回エントリーで訪ねた上波田集落。
町並み整備のシンボル的存在の若沢(にゃくたく)寺に関係する
遺構一帯を画像に納めておらず、日を改めて再訪してみました。

火の見櫓もあった、集落の中心を貫く旧野麦街道。
2012.06.09.2.JPG
その西方の開けた場所でまず目を引くのが仁王門。
2012.06.09.4.JPG(茅葺きの上に鋼板を葺いています)
2012.06.09.1.JPG
正面広場が広くてとてもゆったりしています。
同じ整備事業では隣接する公園や公衆トイレも整えられ、
快適な町並み環境が出来上がっています。
まあ、きれいになった割に普段の人や車の往来がほとんどないのは
田舎ゆえ仕方ない部分もあるとはいえ、ちょっともったいない空気が。。。
2012.06.09.3.JPG(上波田公園)
2012.06.09.25.JPG(公衆トイレ)

股くぐりで有名な仁王様。
昔、ハシカが流行した折に仁王様の股をくぐると病が軽く済んだという故事にならい、
現在では毎年4月下旬に恒例行事として大勢の人を集めて行われているそうです。
2012.06.09.7.JPG(阿形。長野県宝です)
2012.06.09.8.JPG(吽形。同じく県宝)
(じゃんけんは吽形の勝ちwww)

若沢寺は真言宗寺院で天平勝宝年間(西暦750年前後)の創建と伝えられ、
信濃日光と呼ばれるほど隆盛を誇った名刹だったそうですが、
明治初年の廃仏毀釈により廃寺に追い込まれてしまいました。
上波田集落より少し山中に入ったところにあるかつての境内跡地は史跡となって、
いくつかの遺構が残っており、その参道入口にあたる集落にあっては仁王門のほか、
阿弥陀堂や田村堂、その他幾多の石仏群が往時の様子を今にとどめています。
2012.06.09.14.JPG(阿弥陀堂)
2012.06.09.15.JPG(阿弥陀如来坐像。松本市重要文化財)
2012.06.09.16.JPG(田村堂。写真はその覆屋です)
2012.06.09.17.JPG(これが田村堂。国重要文化財)
2012.06.09.12.JPG(線彫閻魔王坐像。市重要文化財)
2012.06.09.10.JPG(若沢寺の丁石。市重要文化財)
2012.06.09.11.JPG(丁石案内板)
2012.06.09.9.JPG(境内は詳しい由緒書きが多くて親切です)

田村堂はもと若沢寺の本尊を祀る厨子だったそうですが、
当寺を中興した坂上田村麻呂を江戸期になって以降祀るようになったものだそう。
普段は覆屋のガラス越しに見ることができます。

こうして現在残されているものを見るだけでも歴史を感じるに十分ですが、
その当時の境内がそのまま残されていたならば、松本平一円でも
トップクラスの寺院としてさぞかし名を馳せていたことでしょうね。
松本藩は藩主戸田光則みずから率先して廃仏毀釈運動に取り組んだことから
藩内の寺院は全国的にみても廃寺となった数が多いのだそうです。

ただ、廃仏毀釈は明治新政府により発令された“神仏判然令”をきっかけに
引き起こされた運動で、それ自体は政令の類ではありません。
この運動(騒動、暴動といっていいかも)の結果、多くの寺院が消失したことは
現代の歴史的価値観からは残念に思えてならない点も確かにありますが、
廃仏毀釈が行われた背景には、江戸期の寺請制度を悪用するかたちで
腐敗の温床となっていた寺院により苦しめられた住民の不満の爆発があるという説もあり、
特権を喪失して危機的状況に置かれた当時の仏教界に反省を促したとする評価など、
興味深い考察が存在するのも事実です。
もっとも、松本藩内で起こった廃仏毀釈は前述の藩主の行いなどから
全国的な一般認識とずれる点が確かにあるとは思いますが。

いづれにしても、神道関係者を中心に引き起こされた運動が
民衆の過剰反応を誘発したとする考察を含め、
歴史を単一的視点で見るのは難しいということを
この明治初年の廃仏毀釈からも読み取ることができますね。

この仁王門や田村堂などの隣接地には波多神社がありますが、
これについては次の記事にてエントリーしたいと思います。
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